循環器科について
動物も獣医療の進歩により長寿になり、人と同様に腫瘍(がん)や腎臓病と共に心臓病が増え、「三大死因」と呼ばれるようになりました。
心臓病はワンちゃんでは死亡原因第2位、ネコちゃんでは第3位といわれています。
心臓病と聞くとそれだけで大きな不安に駆られることと思います。
心臓病などの循環器疾患は、その病態の変化によって微妙な調整が必要となってきます。
そのため、当院では循環器疾患に適切に対応するため、循環器専門診療施設へ獣医師を派遣し研修を実施しています。
また、月に1度専門外来として獣医循環器認定医による循環器診療も行なっております。
心臓病のよくあるご質問
- どんな病気なの?
- そもそも今の段階では治療は必要なの?
- どれくらい重症なの?
- 他の治療法はないの?
- どのように進行して行くの?
- 検査はどれくらいの間隔でしたらいいの?
- 今飲んでいる薬であっているの?
- 日常生活や食事で気をつけることは?
以上のように、わからないことを明確にして病気と向き合っていければ不安を軽くすることができます。
当院では獣医循環器認定医の獣医師が定期的に診察を行なっており、さまざまな検査や治療のご提案が可能です。
愛犬・愛猫の心臓病でお悩みの方は是非一度ご相談下さい。
心臓病の症状Heart Disease Symptoms
以下の症状がある場合、心臓病の可能性があります。
- 呼吸が荒い
- 失神したり、ふらつくことがある
- 咳をすることが増えた
- お腹が膨らんできた
- 散歩などの運動を嫌がるようになった
- 安静時の呼吸数が多い
- 寝てることが多くなった
- 突然の四肢麻痺
心臓病の検査Heart Disease Screening
身体検査
心臓の音、心拍数、リズム、呼吸の音、呼吸数、呼吸様式などのチェックや全身状態を確認します。
レントゲン検査
心臓の状態、血管の状態、肺や気管支の状態を把握します。
超音波検査
心臓の内部構造や大きさの変化、血流などをリアルタイムで確認することができます。
この検査で診断を確定したり、病態を把握することができます。
心電図検査
不整脈の有無を調べます。すぐに治療が必要な危険な不整脈から無治療にて経過観察を行う不整脈までさまざまです。心臓の電気的な活動を診るための重要な検査です。
血液検査
心臓の治療においては心臓以外の身体の状態も把握することも重要です。心臓以外の内臓やホルモンの状態が心臓に影響を及ぼす可能性があります。特に、腎臓は心臓病の治療を行うにあたって重要な臓器であり、腎臓が悪いと心臓病の治療によっても影響を受けます。
血圧測定
血圧も心臓病の状態と関わりがあります。心臓のお薬は血圧を低下させるものもあるため、お薬による作用が適切かどうかを確認します。
その他の検査
場合によっては尿検査や腹部超音波検査などの検査を実施して最終的な診断と治療方法を提示することもあります。
これらの検査結果を総合的に評価します。(※毎回全ての検査を実施する訳ではありません)
犬に多い心臓病Heart Disease in Dogs
- 慢性心臓弁膜症(特に僧帽弁閉鎖不全症)(特に小型犬)
- 肺高血圧症
- 犬糸状虫症(フィラリア症)
- 拡張型心筋症(特に大型犬) など
猫に多い心臓病Heart Disease in Cat
- 肥大型心筋症
- 閉塞性肥大型心筋症
- 拘束型心筋症
- 動脈血栓塞栓症 など
心臓病の治療Heart Disease Treatment
犬・猫の心臓病の治療は内科的治療(薬の内服)が一般的です。薬による治療は根治的な治療ではありません。またその治療は一時的なものではなく生涯必要なものであり、定期的な検診によりその時々の病態を把握する必要があります。そうすることで心臓病の進行を遅らせたり、症状を抑えることが可能となります。
しかし、中には外科的な治療が可能な心臓病もあります。当院では、診察を受けていただき適応と判断された場合、インターベンション治療(動脈管開存症や肺動脈弁狭窄症)、ペースメーカ植込み術(房室ブロックや心房静止など)、人工心肺装置を使った開心術(犬の慢性心臓弁膜症や心室中隔欠損症)を行なっている病院へのご紹介が可能です。
愛犬・愛猫の心臓病の治療に関してご不明な点がございましたら是非一度お問い合わせください。